やってみると意外と難しい発音が、グッと発声に効くことがある。
こんにちは、music-villageボイストレーナーの青山里保です。
さて皆さん。
ボイストレーニングの中で、いつも気にすることってなんでしょう??
- どこまで高い声が出たか?
- どこまで低い声が出たか?
- どれだけ楽に声が出たか?
- どれだけ響いたか?
- 声がしっかり乗ったか?
- ビブラートやロングトーンが出来たか?
目次
声が響かない。
最近レッスンに通いだした、もう何年も日本に住んでいて、日本語ペラペラの中国人男性Kさん。
普段は自分の部屋で声を小さめに練習しているそうですが、「声を出してよい場所(ちょっと広い部屋)で歌うと、声がなかなか響かない。」と悩んでいました。
実際、声を聴いてみると、発声するときに息の量がかなり多いです。
男性にはとても多いタイプ「プル(叫んじゃう)」ですね。
Kさんは背も高く、身体も鍛えていらっしゃるんだろうと、見ただけでわかるような健康的男性です。
筋肉がある方は、声が出ないときに必要以上に力を使うことで頑張れてしまいます。
でも、それでは高い声はますます苦しく、出しにくくなってしまうのです。。。
力いっぱい出してしまうと、息の量に声帯が負けてしまいブレスたっぷりな声となり、「響かないな~」と思って更に頑張ってしまう、、、
いや~なスパイラルに嵌ってしまうこともあります。
ボイストレーニングでは、息のコントロールがとっても大事。
Kさんは、歌のレッスンやボイストレーニングは初めてとのことだったので、最初は【息のコントロール】を軸にエクササイズをしていきました。
息が多いとエッジ(閉鎖、地声感)を入れようとしても、響かせようとしても「どうにもならん!」となるので、まずは自分で声色を調節出来る息の量(音量)まで落ち着かせる練習を重ねていきます。
だんだん慣れてくると、ある程度息は少なく処理できるようになるので、次の段階へと進んでいきます。
ここで今日お話ししたかった大事なポイントが登場してくるのです・・・
発音(はつおん)をしっかりすることで、発声(はっせい)が勝手にいい感じになる!
日本語はペラペラのKさんですが、ボイストレーニングでよく出てくるフレーズ「mum(マン)」が苦手でした。
私が何度か指摘してもやりにくそうで「なんでだろう」と思っていたのですが、お話していると理由が見えてきました。
「中国の発音には、”ん”としっかり発音するものがないんです。」
え?でも、”ん”ってよく聞くぞ?
と思いますよね!
どうやらこういうことらしいです。
例えば、日本語の【天気】は【て・ん・き】と区切れますが、中国だと【ティェン・チー 】となるそうで、”ん”はおまけの様に発音するんだそう。
そのため、わざわざ”ん”を発音することに苦戦していました。
※地方によって異なるかもしれませんが。
この「mum(マン)」というエクササイズツールは「ンー」の音をしっかり出してあげる事で、声が出しやすくなります。
というのも、「ンー」の部分で息を少なく使えて声門閉鎖を促してくれたりするからです。
言葉には、息を少なくしてくれる様なものがあったり(G子音とか)、息の流れを促すものがあったり(H子音とか)色々ですが、レッスンの時ってあなたの声に今必要な言葉を与えています。
なので、その言葉を正しく発音出来る事。これが意外にも重要です。
というか、それだけで発声よくなるなら、儲けものですよね!!!
どうして発声が改善されるのか??
どうして発音でそんなに改善されるかというと、言葉は口周辺を使って発音するので、正しい言葉で歌えることそれだけで、口の開き方や舌の位置など細か~い部分が、知らず知らずのうちに発声にとっても良い状態へと向かってくれるから。
人によっては、舌に異常に力みがある人、顎が全く動かない人、いろいろです。
普段話すときに使っている言葉で直せるイメージだと、
難しそうに感じるトレーニングも、ちょっとハードルが下がりませんか??
しっかりと発音すること、ぜひトライしてみてください♩